闇の子供たち

kotohirateiji2008-08-22 
著者:梁石日
書名:闇の子供たち
版元:幻冬舎文庫
 
舞台は現代のタイ。登場人物はタイ山岳地方生まれの子供達、売春宿の経営者達、子供達を救おうとするNPOのタイ人と日本人達、そして自分の子供の命を救おうと懸命な母。子のいる身には読んでいてあまりにもつらい。先日読んだ「五人姉妹」とは「臓器移植」を同じくテーマとしているのに天国と地獄以上に違う世界。
 
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「豚や牛は捨てるところがないと言いますが、人間も捨てるところがないですね。」
書類を読んでいたチューンは、いまさらながらのように驚いた。
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タイへ仕事で行った。2週間仕事場に缶詰で夜の街を出歩く暇もないまま帰国した。タイはよく男の天国だというが、こういう側面を見せられてなお「天国」と言える人はどれだけいるんだろか、と考え込んでしまうよ。

息子よ。君がやがて広く世界を見るようになった時、今まで想像もしてなかったいやなものがすぐそばにある事に気づいた時に、何を考えるのだろうか。

闇の子供たち (幻冬舎文庫)

闇の子供たち (幻冬舎文庫)