五人姉妹

kotohirateiji2008-08-20 
著者:管浩江
書名:五人姉妹
版元:ハヤカワ文庫
 
少し未来を舞台にした短編9作からなる作品集。主人公は老若男女様々。その中でも一番惹かれるのは「秋祭り」だ。父と子の物語「賤の小田巻」が一番心に刺さる、けど「秋祭り」の求めるもののほうに惹かれるのだ。「秋祭り」の主人公は二十歳過ぎで就職活動中、彼女は、その生い立ちから生涯の仕事を選ぶ時にどうしても外せない条件がある。
 
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その神ならば、私と共に、喪われたものを慈しみ、共に慈しむことで私を癒し、むざむざと生き残る喪われなかったものどもをことごとく赦してくださるに違いない。
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色々な国へ行った。ヨーロッパやアメリカ、南米、パキスタンには神がわかりやすくいた。インドやタイにはほんとに色々なところに神様達がいた。中国には神様はいないようだ。そして日本の神様達は・・・田舎にはまだまだ残っているが都会には住み辛そうだ。

息子よ。君の子供の目に、そして大人の視線を得た時に神様をどれだけみつけられるかが楽しみだ。たくさん見つけるといい。

五人姉妹 (ハヤカワ文庫JA)

五人姉妹 (ハヤカワ文庫JA)