イニシエーション・ラブ

kotohirateiji2008-09-01 
著者:乾くるみ
書名:イニシエーション・ラブ
版元:文春文庫
 
舞台は静岡と東京。時代ははバブルの直前、とにかく全てが明るくそして軽くみえた80年代後半。登場人物は就職したばかりの男女数名。好きになり、いっしょに過ごし、すれ違いがあり、そして別れる。その繰り返しの中でしか人は生きていけない話し。
 
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「将来の約束」に縛られない生き方を選択した僕たちに許されている「確かなもの」は
、本当に「今」だけだった。
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僕からみたらひとつ上の世代の生活模様を描いたこの作品の中で、この箇所が一番僕にはしっくりときた。十代の全然いけてない僕からからみた上の世代の生き様はまさにそんなふうに映っていたから。
本書は「ミステリー」の書棚にある。売りかたもミステリーとしてのだ。?。一読目はすんなりとただの恋愛ものとして読めた。あまりにすんなり読めてしまったのでどこがミステリーなのかわからない。時間をおいてパラパラとつまみ読みしてみたがそどうにもわからない。白旗をあげて書評を読んでみると・・・ あ、そういう読み方があったのか、とストンとしっくりときた。
こういうにぶいところが僕の駄目なところなんだろう。

息子よ。君はどんな生き様をみながら育つのだろうか、そして自分ではどんな生き方を選んで行くのだろうか。それをみせてもらうのが今から楽しくもあり怖くもある。

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

イニシエーション・ラブ (文春文庫)