ゆず

kotohirateiji2008-11-06 
著者:須藤真澄
書名:ゆず
版元:秋田文庫
 
アパート1階在住の独身マンガ家が、猫を飼いはじめ、ともに暮らす絵日記マンガ。愛猫「ゆず」があまりにも可愛すぎる。
 
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さようなら
ノミ
今年の夏は
あなたがたのいない
平和な世界で
過ごします
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大学のころと社会人になってすこししての間の2回ほど猫と一緒に暮らしていた。大学の頃はマンションの1階に住んでおり、いつのまにかベランダに猫が住み着いたのだった。灰トラ雑種のオスで名前は五右衛門と名付けた。乳離れしてすぐだったのでノラだけども人間を怖がる事を憶える前だったらしく、すぐになついてくれた。五右衛門は一冬を一緒に越した翌年の春、どこかへと旅だっていった。もう生きちゃいないとおもうけどもその後の人生(猫生)を楽しんでくれてればと思う。
2匹目はとある夏の深夜、布団の上で一人まどろんでいると、アパートの裏のほうからミィミィと小さな声が聞こえる。あれ、猫の声だなぁと気づいてしばらくしてもまだ鳴いている。どれどれと見に部屋を出ると、部屋の前、裏の工場の資材コンテナの中に離乳直後くらいのちいさい子猫が一匹、ちぢこまって鳴いている。これは困ったなぁ、このアパートはペット禁止だしなぁと思いながらも気がついたら部屋に猫と一緒に戻っていた。とりあえず箱にタオルしいて、人肌に暖めたミルクを入れた器と猫を一緒に箱にいれた。ミルクとちょっと飲んで安心したのか猫はすぐさま寝てしまった。ぼくも布団にもどり寝つくことにした。
翌朝、猫の鳴き声で目をさます。あ、そうか、猫ひろったんだよなぁ、どうしよっか、今日は会社休んで病院にでもつれていくかなぁ、そんな感じに始まった猫との暮らしだった。
途中自分が海外赴任のおりに知人宅に預けたりとかで切れ目はあるが、都合4年ほどいっしょに暮らした。はじまりもいきなりだが、終わりもいきなりだった。
終わりの話しはまた時を改めて書こうと思う。
 
そして今は毎日、会社の近くに住みついてる猫と遊ぶのが楽しみだ。母とその息子と娘、3匹はどうやら近所の倉庫のネズミとりとして半ノラ半飼いとして生活しているらしい。この子たちの話しもまた日を改めて書く事にしよう。
 
息子よ、人はなにかに愛情をそそがねば生きて行けないようにできている。君は何に愛情をそそぐのだろうか。そのうち教えてほしい。

ゆず (秋田文庫)

ゆず (秋田文庫)