シュナの旅

kotohirateiji2008-11-02 
著者:宮崎駿
書名:シュナの旅
版元:アニメ−ジュ文庫
 
どこか遠い世界の遠い昔か未来のお話し。寒村に暮らす若者が村の未来のために外界へと旅立ち、艱難辛苦をのすえ思いをとげる、そんな物語。
 
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「売り買いによる自由でなく
 剣にかけて あなたの誇りのために戦った
 あなたは自由だ」
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今はもう世界の宮崎になってしまったが、彼がこの物語を描いたのは1983年、じつに四半世紀前。そのころ僕はそれなりに多感な中学生だった。友人にこの本を見せられて「世の中にはこんな素晴らしい絵本があるのか!」と感動したものだった。まだまだアニオタ(当時はオタクなんて言葉はなかった)としてはぬるかった自分がぐいぐいとこの世界に引き込まれていったひとつのきっかけがこの本だ。
 
四半世紀ぶり読み返してみる。あらためて心が動かされる。宮崎駿42歳、まだ若さと勢いのあるころの作品。勢いのある作品はいつ読み返しても時間をこえて心が揺さぶられるものがある。自分が42の時にどれだけの仕事が残せるだろうかとついつい自問自答してしまう。

息子よ、君もいつか何かを求めて旅立つ時がくるのだろう。その時は、がんばれ。

シュナの旅 (アニメージュ文庫 (B‐001))

シュナの旅 (アニメージュ文庫 (B‐001))