Blow UP!

kotohirateiji2008-10-08 
著者:細野不ニ彦
書名:Blow UP!
版元:小学館文庫
 
1980年代末の連載。東京の大学を中退し、
プロのサックス奏者を目指す若者の物語
 
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「ただオレも・・・ おまえが考えてるほど気楽な立場じゃない・・・ それは・・・ 言っておきたかった!」 主人公の兄のセリフ
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自分の好きな事を仕事にするのは大変素晴らしい、しかし一方で多くの事を失う事になる。そして自分以外に大きな負担を強いる事になる。多くの若者がその事に気づくはたいていの場合、もはや若者でなくなった時だったりする。
 
うちの家系はどうやら音感にはすぐれないらしい。僕は手慰みにエレクトーンとウクレレをちょこっとだけ弾けるくらいだ。僕の母(君の祖母)は若い頃にエレクトーンの先生になるべく練習していたが、最後の試験で落ちてしまい免状をとれなかった。息子よ、しかし楽器を使えるとモテるのだ。君の母が僕に惚れたのも、僕のつたないウクレレの響きが心地よかったからだと言っていた。楽器がつかえて損はない。

Blow up! (小学館文庫)

Blow up! (小学館文庫)