自虐の詩

kotohirateiji2008-09-04 
著者:業田良家
書名:自虐の詩 上下巻
版元:竹書房文庫
 
1980年代後半、東京の住宅地が舞台。おそらく30代の幸薄い女性とやくざな旦那の物語。読み始めは他人の少し不遇な境遇を笑うギャグマンガなのだが、後半物語はおおきくばけていく。極めて簡素な絵柄なのに、気がつくと物語の世界にグイグイと引き込まれ取り込まれている事にきづく。そういう希有な4コママンガ。
 
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なんということでしょう。人生には意味があるだけです。
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まさかギャグマンガを読んでいて人生について深く考えさせられるとは思ってなかったよ。ちっとも身構えずに読み始めただけに、その衝撃はとても大きかった。学生時代に読んだのと、社会人歴をへて独身時代に読んだのと、そして今、読み返してみるのと、それぞれに感想がこれだけ大きく変わっていくのもなんともいえないものがある。

息子よ。君が大きくなった時にこれを読んでも、昭和の時代の知識がないとめんくらう事になると思う。けれど時代を横において、それでも感じる何かがあると思う。親子ってなんなのだろうね。

自虐の詩 (上) (竹書房文庫ギャグ・ザ・ベスト)

自虐の詩 (上) (竹書房文庫ギャグ・ザ・ベスト)


自虐の詩 (下) (竹書房文庫ギャグ・ザ・ベスト)

自虐の詩 (下) (竹書房文庫ギャグ・ザ・ベスト)