男たちは北へ

kotohirateiji2008-08-19 
著者:風間一輝
書名:男たちは北へ
版元:ハヤカワ文庫
 
しがない中年グラフィックデザイナーと陸上自衛隊法務官の青年将校、そしてヒッチハイクで旅する少年の物語。時代は1980年代末、舞台は東京から青森までを自転車の早さで移動していく。

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「旅の借りは返せない。返せない借りは一生背負って生きるしかない。だがな、旅の借りは、いくつあっても重いってことはない。もしかしたら、多い方が生きるのが楽しいかもしれんな。」
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自転車でなくバイクでなら東京から青森を走った事はある。ほとんどこの物語と同じコースだ。読みながら、自分が走った時に観た風景を思い出していた。旅の終わりに少年が海峡をはさみ北海道を見た時の気持ちが痛いほどよくわかる。旅の物語は自分自身の旅を今一度思い起こさせてくれる。それがまた楽しい。

息子よ。旅へ出ろ。どこでもいい。いろんなとこへ行ってみろ。それは間違いなく君の骨となり肉となる。

男たちは北へ (ハヤカワ文庫JA)

男たちは北へ (ハヤカワ文庫JA)