父の四十九日
父の四十九日の為に帰省した。
移動の合間に読む本がないかと本棚を漁った。
買ったまま積んでいたこれを引き出し鞄につっこむ。
著者:万城目学
書名:プリンセス・トヨトミ
出版:文春文庫
以前に映画版をTVで見ていたので話しの筋はだいたいつかんでいた。
西に向かう新幹線の中、ただただ読み進める。
歴史変革ものは好きなので、中盤手前からぐいぐいと引き込まれる。
実家に到着。仏間の準備は兄夫婦が終えていた。
親族も揃い、読経の後に墓まで皆で移動し納骨。
会食の席では、親の世代の昔話やら孫の世代の進学話でもりあがる。
翌日、仏間の片付けやら庭仕事を手伝った後、実家を後にした。
復路の車中、残りを読み進める。
「あなたのお父さんも、あなたに何か伝えようとしていたのではないか?」
僕は父の死に目に間に合わなかった。
父の最後の言葉は正月に見舞いに行った時の「おまえもがんばれ」だった。
父が僕に最後の最後に伝えたかった事はなんだったのだろう。
もう父はいない。
もう聞く事はできない。
- 作者: 万城目学
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2009/02/26
- メディア: 単行本
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