散文散歩

kotohirateiji2009-11-21 
著者:大貫妙子
書名:散文散歩
発行:角川文庫
 
大貫妙子の楽曲は優しい。文章はどうだろうかと手にとって読んでみた。歌とは違いちょっとごつごつしたところもあるがやはり柔らかで優しかった。
 
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生きることと、生かすこととは違う。生きて更に生かすことが、生きることのすべてだと思う。「生き生き」しているというのは、そういうことをいうのだと思う。
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大貫妙子の楽曲にハマったのは大学に進んでからだったと思う。ラジオ番組の中でかかったのを聴いたのか、もう思い出せないがスルスルと心の中に染込んできた。それ以来古いアルバムを探し、新しいアルバムはチェックしている。
ある日突然彼女の楽曲を聴くのがつらくなった。あんなに好きだったのに聴くと心がざわざわして不安になってくる。聴くと落ち着かなくなってくるのだ。自分の心が壊れたのか嗜好がいきなり変ったのか、理由はわからない。それ以来聴くのを封印している。
先日彼女の著作をたまたま見つけた。曲はだめでも本なら読めるだろうと読み始めた。曲からイメージしていた彼女とは違った彼女がそこにいた。著作の中で自分の考えをズバズバ並べている彼女の様にドギマギしてしまった。当たり前だよね、こちらが勝手につくったイメージと別の姿があるのは。
日常生活の中で気がつかないあいだに、自分がつくりあげた色々なことがらのイメージを他人に押し付けてしまってる事が多々あると思う。あんまりいい事はじゃないよね、これって。
うまくまとめて言えないのだが、自分の気持ちを相手に押し付ける事には気をつけたい。

久しぶりに彼女を歌を聴いてみます。また以前のように聴けるといいのだけど。

散文散歩 (角川文庫)

散文散歩 (角川文庫)