母の挨拶

この2ヶ月ほど姿を見せなくなっていた会社出入りの猫娘が帰って来た。朝出社した事務所の扉前に毛の塊が丸くなってるのを見つけてびっくりする。覗き込んでみると赤ちゃん３匹かかえて猫娘がお乳をやってる最中。こちらの気配を感じて子猫たちは一目散に逃走。１匹だけ残された今や母となった猫娘は、寝た姿勢のままこちらを見上げて自慢げにニャアとひと声。
　
去年の夏に赴任した時にまだまだ子猫だった子が、もう３匹の母に。艶々だった毛並みはぼさぼさに。いたるところが禿ていて疥癬こじらせている模様。哭く声もしわがれてしまって動きにも元気がない。あんなに元気な子だったのに、初の出産と子育ては大変だったんだねと、猫用に買い置きしてあったお肉の干物でねぎらう。
　
子育てで疲れ眠る母猫を撫でながら、元妻の産後の疲れをようやく理解できるようになった自分に気付く。やはり人よりも気が効かないのだなと改めて反省する。
　
子猫たちはまだまだ慣れておらず、寄って来る気配もない。はやく仲良くなりたいものだ。

犬を飼う (Big comics special)