河童のクゥと夏休み

kotohirateiji2007-08-13
原恵一監督作「河童のクゥと夏休み」を観た。
ここいらの地方では夜の7時〜9時の一回のみと大変扱いが悪く、さすがにこの時間ともなると子供の客の入りは今ひとつ。まわりはどちらかというと自分も含め大きなお友だちのほうが多かった。
脚本、演出、作画ともにたいへん細やかにつくられていて、最後まで飽くことなくスクリーンに集中できた。開発問題に始まり、収賄、動物拾い、イジメ、マスコミ、ペット、親子、日本の原風景、親の離婚、淡い恋愛、友情、別離。これだけの要素が2時間の枠に説教臭くもなく、面映くもなく、ケレンに走る事もなくしっかり描かれている。ただ一つだけ個人的に残念といえばもう少し直球の泣き要素が欲しかった。観客の心によい意味での傷をつけるくらいインパクトのある何かが欲しかった。大変素晴らしい夏の一本なのだけど、この感動はこの夏だけで終わってしまいそうなくらい素直すぎる。
ほんとはおっさんの下りで泣きました。あ、しもた。おっさんのところで十分に心の傷になりますな。

河童のクゥと夏休み 【通常版】 [DVD]

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