ほん

学・経・年・不問

著者:城山三郎 書名:学・経・年・不問 版元:文春文庫 戦後高度成長期、セールスマンとしてがむしゃらに生きて行く男と、その対極的な性格の友人とが主人公。時代は1960年代後半。君の父方の祖父母がまさに新婚早々で社会人として翻弄されていたころの…

容疑者Xの献身

息子よ。君はどういった仕事に興味をもつのか。 著者:東野圭吾 書名:容疑者Xの献身 版元:文春文庫 都会の片隅、望まぬ仕事で生計をたてている男が主人公。時代は2000年代初頭。彼は幾分青年の頃を過ぎており、恋愛には縁がなく、仕事運にもめぐまれず…

僕のなかの壊れていない部分

息子よ。生まれた土地を離れ、知らぬ土地で働き始めた君へ。 著者:白石一文 書名:僕のなかの壊れていない部分 版元:光文社文庫 実家を離れ都会で仕事をする青年の物語。時代は2000年代初頭。主人公の青年は愛するという事をあたまでは理解できていて…

恐るべき旅路

息子よ。高校2年生になる頃の君へ。 著者:松浦晋也 書名:恐るべき旅路 火星探査機「のぞみ」のたどった12年 版元:朝日ソノラマ 火星探査衛星「のぞみ」に関するノンフィクション。 20世紀末から2003年の日本と火星が舞台。この国の宇宙開発の実情…

謀殺の弾丸特急

息子よ。高校1年生になる頃の君へ。 著者:山田正紀 書名:謀殺の弾丸特急 版元:徳間文庫 西暦2000年前後、東南アジアの軍事政権下にある小国が舞台。日本人観光客たちが軍の秘密を知ってしまった為に追われ、逃げぬく冒険小説。 単純明快読後爽快。美…

崑崙遊撃隊

息子よ。中学2年生になる頃の君へ。 著者:山田正紀 書名:崑崙遊撃隊 版元:ハルキ文庫 昭和八年、上海事変の余韻もまだ醒めぬその上海から、中国大陸の奥深く伝説の神の地“崑崙”を目指す青年たちの冒険ミステリー。 主人公の冒険への動機付けは納得できる…

人喰いの時代

息子よ。高校1年生になる頃の君へ。 著者:山田正紀 書名:人喰いの時代 版元:ハルキ文庫 昭和初期、第2次大戦前のO市(小樽?)が舞台。青年二人が遭遇する事件を解決していく連作推理短編集。 本編の謎解き以上に当時の世相風俗の描写が興味深い。 私が…

ホワイトアウト

息子よ。大学1年生になる頃の君へ。 著者:真保裕一 書名:ホワイトアウト 版元:新潮文庫 時代は200?年、舞台は雪深い山奥の大規模な発電ダム。主人公はそこの設備のオペレータ−の青年。そのダムがテロリストに占拠されダムの決壊、放水をカードに国に…

トライアル

息子よ。中学3年生になる頃の君へ。 著者:真保裕一 書名:トライアル 版元:新潮文庫 時代は1990年代、舞台は様々な公営レースギャンブル。主人公はそれぞれの選手とその家族だ。君の時代にどれだけの公営レースギャンブルが生き残っているかは疑問だ…

ストロボ

息子よ。高校2年生になる頃の君へ。 著者:真保裕一 書名:ストロボ 版元:新潮文庫 時代は1990年代、80年代、70年代、60年代。場所は東京。主人公はカメラマンとして生きていく。時代をさかのぼりつつ時代時代の彼の生き様が描かれている。 私が…

マネ−・ハッキング

息子よ。大学1年生になる頃の君へ。 著者:幸田真音 書名:マネ−・ハッキング 版元:講談社文庫 ここで紹介される手口は君の時代にはもう古びていると思う。感じて欲しいのは個々の登場人物の犯行への動悸づけや、自分のスキルに対するプライドとそれを裏付…

巷説百物語

息子よ。中学2年生になる頃の君へ。 著者:京極夏彦 書名:巷説百物語 版元:角川文庫 20世紀末「必殺仕事人」というTV時代劇のシリーズがあった。江戸時代後期を舞台にした義と金で立つ暗殺集団の物語でシリーズ全体で十数本がつくられたヒットシリーズ…

夜のピクニック

息子よ。中学3年生になる頃の君へ。 著者:恩田陸 書名:夜のピクニック 版元:新潮文庫 父の高校では夜間ではないが朝壱から夕刻まで埼玉荒川の土手沿いを歩き続けるイベントがあった。友人らと共に走り、時に歩き休みながら青い悩みや馬鹿な話しにもりあ…

アイディアを捜せ

息子よ。中学2年生になる頃の君へ。 著者:阿刀田高 書名:アイディアを捜せ 版元:文春文庫 おもいついた事を心に留め置いて、何かのときにそれを思い出し、他の記憶と組み合わせながら想像を膨らませるのは何よりも楽しい行為だ。 この本は観察眼と記憶の…

つらつらと書いていく

息子よ。父が君に残せるものはほとんどない。せめては読書の水先案内人にくらいにはなれるように、読んだ本の事をメモっていく事にする。 君が本を読むようになったころには旧い書籍もネットで読めるようになってると思う。けどもできるだけ紙の本を残すよう…

ボーダーライン

真保 裕一、集英社文庫、「ボーダーライン」をちょいと前に読んだ。 舞台はロサンゼルスのダウンタウンからメキシコ国境へ。 5号線をひたすら南下するシーンで七年前の自分を思いだす。右に海をみながら崖上のFWYをただただアクセルを踏むだけ。この海の先…

銀輪の覇者

斉藤純、ハヤカワ文庫、「銀輪の覇者」上下巻を読んだ。 時代は太平洋戦争前、場所は下関から青森、アシはなんと実用車での自転車レース。登場人物それぞれが背負ってるものから怒濤のラストまで一気に読めた。これはひさしぶりにけっこうあたりな冒険小説。…

幼年期の終り

アーサー・C・クラーク、福島 正実 、早川書房「幼年期の終り」をいまさらながらに読んだ。 どの登場人物にも感情移入できないままに読了。読後になってからオーバーロード側になったような気分がふつふつと湧いてくる。爽快感は無し。なにかしら切ない気持…

上海発! 新・中国的流儀70

須藤みか、講談社、「上海発! 新・中国的流儀70」を読んだ。 銀聯カード関連や野菜の残留農薬の事はほとんど知らなかったので為になる。ペットボトルの回収の件では白雲空港内でペットボトル拾いにせいをだす人が大勢いたのがこれで納得できた。読み物とし…

逆転

牛島信、幻冬舎、「逆転」を読んだ。 読み切り短編なので企業モノに素人な僕にも読みやすい。この手のジャンルは自分に縁ないと思ってたけども今回つい手をだす。中途半端な中間管理職もどきなんかに我が身がなってしまって、会社とか組織とかってなんだろう…

自転車生活の楽しみ

疋田智、朝日新聞社、「自転車生活の楽しみ」を読んだ。 いつのころからか氏のHPは拝見してました。マニア視点からは温いと厳しい声もありますが僕くらいののんびり通勤派にはちょうどいい。欧州の状況は素直にいいなぁと思う事しきり。氏の日本での視点は都…

オタク的中国学入門

明木茂夫、楽工社、「オタク的中国学入門」を読んだ。 中国人研修生との会話のネタになるかなと読んだのでしたが・・・これはちょっと・・・。自分のオタク度が薄くなったのか、この本が面白くないのか。この先生はあくまで言葉の先生であって、世俗のネタを…

おおきく振りかぶって 第8巻

ひぐちアサ、講談社、「おおきく振りかぶって」第8巻を読んだ。 負けた側の描き方がしっかりしてて、キャラを大事にしてる感が大変心地よい。それにしても世間様での本作の扱いはBL系というのがなんとも・・・。 定価購入に対して「☆☆☆☆×」。和さんに男惚れ…

ちびとぼく

私屋カヲル、竹書房、「ちびとぼく」第10巻を読んだ。 長かった連載もいつのまにか終わってて単行本もこれにて終了。長い事、楽しませてもらってほんとにありがとうございました。これを読むと火事で失ってしまった猫が元気だった時の事を思いだしてつらくな…

エミリーの記憶

谷甲州、ハヤカワ文庫、「エミリーの記憶」を読んだ。 SF短編集。こういうのも書けるんだとちょっとびっくり。でも初出見ると・・・あらら自分のチェックが甘かったのねと反省。個人的には「ぼくの街」がお気に入り。ネタかリアルか結局わからなかったけども…

あじあ号、吼えろ!

辻真先、徳間文庫、「あじあ号、吼えろ!」を読んだ。 満州モノという事で手にとる。辻真先の文章は懐かしさを喚起する。今回の道具建ての「満州」「ソ連参戦」「731部隊」「川島芳子」はかなり大味な料理のしかた。冒険小説でなく鉄道小説としての度合いが…

こっこさん

こうの史代、宙出版、「こっこさん」を読んだ。 土手沿いのシーンの大ゴマに感動。土手沿いの空気ってこうなんだよ、と独り郷愁にひたる。鶏は・・・美味しいよね(T_T)。 定価投資に対して「☆☆☆××」 縁日で買ったひよこを死なせてしまった人にお薦め。

街角花だより

こうの史代、双葉社 ACTION COMIX、「街角花だより」を読んだ。 単行本での初見故、同じ筋立てのマンガが2シリーズも載ってるのがしばらく理解できず。(巻末の後書きに気づいたのはしばらくたってから(^_^;)) 主人公の曲った性格だけで十分楽しかったので…

まだ旅立ってもいないのに

福満しげゆき、青林工藝社、「まだ旅立ってもいないのに」を読んだ。 半自伝的な「僕小」とは違ってて本作では登場人物の心情がいくぶん攻撃的。そこがまた味わいがあって面白い。特に巻末の掌編は青臭さと痛さがいい案配なのがお気に入り。 定価投資に対し…

僕の小規模な失敗

福満しげゆき、青林工藝社、「僕の小規模な失敗」を読んだ。 内容を頭悪く要約すると『ピキーン』『女は強い』『うぅぅ〜』かな。ひさしぶりに読んでて気分の悪くなる漫画。けども何かがひっかかる。頭悪いので何がひっかかってるのを言葉にできない。うぅぅ…